無脈流ポンプの種類やシステムを解説~ポンプの性能を最大限引き出すための設計をするなら安久工機へ~

無脈流ポンプ 弁

無脈流ポンプとは

無脈流ポンプとは、脈動のない(小さい)ポンプのことを指します。ポンプを用いて送液する際に、脈動が起こることがあります。脈動とは、脈を打つように流量が変動することで、これはポンプの仕組み上起こってしまいます。

この脈動がなぜトラブルになるかというと、脈動が起きたときの振動がポンプや配管の故障につながるからです。そういったトラブルを回避するために、無脈流ポンプの製作をお考えの方もいるのではないでしょうか。安久工機は、こういったポンプを用いた製品の開発・試作の実績が豊富です。もし開発・試作のご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

ポンプの種類

ポンプの種類はいくつかありますが、大きく分けて以下の2つに分かれます。

  • ターボ型(非容積式)
  • 容積式

ターボ型は構造上、脈動は起こりにくいのですが、容積式は原則脈動が起こります。そのため、脈動のトラブルを避けるのであれば、無脈流のターボ型をお使いになるとよいでしょう。しかし、吸込・吐出能力はポンプによって異なりますし、場合によって容積式を使用することもあります。
中には、容積式の無脈流ポンプをどうにか開発できないか、とお考えの方もいらっしゃると思います。そこで、まずは各ポンプについてご説明し、どのような違いがあるのか見ていきましょう。

ターボ型

ターボ型ポンプ(非容積式)は羽根車を回転させ、液体を回転による力で送液させる仕組みです。羽根車は高速で回転し、比較的連続流になりますので脈動は起きません。※低速回転の場合は脈動が起きます。定量性は、揚程(水を吸い上げる高さ)の影響を受けるため低いです。

ターボ型にも種類がいくつかあり、遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプがあります。それぞれ異なる特徴がありますので用途にあわせて使用しましょう。

容積式

容積式ポンプは、容器内でピストンなどが往復して吸込・吐出を行う往復運動、もしくはローターやギアによる回転運動で送液させる仕組みです。ターボ型とは異なり、揚程が高いため定量性がよいです。
容積式ポンプは、さらに往復ポンプと回転ポンプに分けられます。

脈動は往復運動による流体の吸込と吐出を繰り返すことで発生します。回転運動の場合においても脈動は起こりますが、回転数が多ければ多いほど脈動は少なくなります。いずれにしても、容積式は脈動による影響に注意しなければなりません。

無脈流ポンプの構成機器とシステム

無脈流ポンプを製作する場合、用途や使用環境にあわせて必要な機器やシステムを搭載しなければなりません。先ほどご紹介したように、ポンプには大きく分けて2種類がありますが、そこからさらに種類が枝分かれしています。

同じ種類でも、仕組みや吸入・吐出量などが異なりますので、まずはどのポンプを使用するかを決める必要があります。もし、容積式ポンプを使用する場合は、無脈流にするための機器やシステムが必要となるでしょう。

構成機器の紹介

ポンプは液体にエネルギーを与えて送液する装置です。そのため、送液以外にも製作する目的がある場合は、ポンプだけではそれらを満たすことはできないでしょう。たとえば、圧力を計測したい場合は、圧力センサや計測機器が必要となります。

では、容積式ポンプを無脈流にしたい場合は、どういった機器が必要になるのでしょうか。この場合、脈動減衰器というものを使用します。その名の通り、脈動を低減させることができる機器です。脈動減衰器にも、エアチャンバー、アキュームレータ、ダンパーと種類があり、用途に応じて導入しなければなりません。

無脈流ポンプのシステム

容積式ポンプは脈動が起こるため、無脈流にするために機器を導入するほか、構造を工夫することがあります。例として、往復ポンプの一種であるダイヤフラムポンプの構造を見てみましょう。

ダイヤフラムポンプの原理は、注射器をイメージするとわかりやすいです。シリンダー内の液体は、ピストンを押すことで吐出され、引くと中に吸入されます。

注射器は吸込・吐出口が一箇所ですが、ダイヤフラムは吸込と吐出する部分が上下に分かれています。中央のポンプヘッドを引くと吸込側から液が吸い込まれ、ポンプヘッドを押すと吐出側から吐出する仕組みです。それぞれ、吸込側と吐出側に逆止弁を設けることによって逆流を防ぎ、吸込と吐出が交互にできます。
これが、基本的なダイヤフラムポンプの吸込・吐出の原理です。

脈動は、吸込と吐出が交互に発生することから起こるため、連続一定流にする必要があります。しかし、ダイヤフラムはその仕組みから、一つのポンプヘッドでは連続一定流にはなりません。そこで、ポンプヘッドを複数用意し、駆動のタイミングをずらすことで連続一定流に近い状態にすることができます。このように、構造・システムを工夫することで無脈流に近い状態にすることができます。

無脈流ポンプの製作ポイント

無脈流ポンプを製作する際には、いくつか抑えておきたいポイントがあります。一つは、安定した制御ができるか。もう一つはコスト削減ができるか。という点です。

ポンプの用途や種類によって、製作のポイントは異なりますが、これらはどのポンプでも共通する重要な製作ポイントです。ここからは、製作ポイントについてより詳しくご説明します。
これから、設計・製作会社を選ぼうとされている方の参考になると思いますので、ぜひご一読ください。

安定した制御ができるか

お客様のご希望に沿ったポンプを製作するには、まずは綿密な打ち合わせを行って仕様検討をしなければなりません。仕様検討では、お客様のご要望から、具体的に求められる要件を洗い出していきます。どの位置で、どれほどの量を吸込・吐出するのか。どうやって送液を吸い込み、吐出するのか。

このように細かく精査した要件をもとに、仕様を検討していきます。目的を精査することで、より要望に沿った装置を製作することができるのです。そして、精査した要件を機構に反映できるか、というところがポイントです。ポンプを駆動し、流量の調整や流れる方向などを制御するには、機構制御が重要になります。安久工機では、ポンプの設計の実績が豊富ですので、要件を設計に落とし込み、安定した制御ができる製品を実現します。

可能な限りのコスト削減

ものづくりでは、原則設計後に見積がわかります。なぜなら、設計で材料や形状、必要な部品が明らかになるからです。作業環境や用途、使用期間などによって、どのくらいコストをかけるかは異なりますが、それでもコストはできるだけ削減したいとほとんどの方は思われると思います。
しかし、コスト削減ばかりを重視すると、品質の悪いものができてしまい、後々トラブルのもととなりますので、注意が必要です。

安久工機では、必要な要件を満たし、不要な機能を省いたシンプルな設計を行いますので、可能な限りのコスト削減が実現します。そのような設計にするため、品質が下がる心配もありません。

無脈流ポンプの設計・製作のご依頼は安久工機へ

無脈流ポンプの設計・製作を考える前に、既製品を探していた方もいらっしゃると思います。既製品は、多機能で様々な用途に対応できるように設計されていますが、そのためにかえって使いにくいといった問題が生じることがあります。そういったお悩みがあり、特注で製作したい方、また新しく製品を開発したい方はぜひ安久工機へご相談ください。

安久工機は、大量生産を見据えた製品の開発・試作や、一品モノの設計・製作に対応しています。まずは下記お問い合わせ先よりご連絡ください。

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