評価治具とは?使用の目的や種類を設計・加工会社が解説

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評価治具を使用する目的とは?

評価治具は、製品開発や製造の現場で重要なツールです。製品の性能や強度、耐久性などをより正確に、より効率的に検査できるようサポートするなどの役割を持つのが、評価治具です。
対象の製品を指定の位置に固定したり、測定器に接続したりする用途があり、作業員の技量や経験、知識に依存することなく精密な評価ができるようになります。

人の手による検査が難しい製品や、大量に検査をする必要がある製品の検査でもこのツールを使用することでスムーズに進められ、作業効率の向上につなげることが可能です。
評価治具の使用目的は幅広く、ツールによってさまざまな役割を果たしています。以下では、代表的な評価治具の使用目的を解説します。

性能を評価する

製品開発において、評価治具は製品の性能を正確に測定し、設計どおりの動作ができるかを確認するために活用されることがあります。
製品が市場に出る前などには、設計どおりの仕様を満たしているかの検証が必要です。とくに精密機器や電子部品などは細かい性能評価が求められるため、正確なテストをしやすくなる評価治具が役立ちます。

たとえば電子機器では、回路の動作確認や信号の伝達速度、消費電力の測定などをおこなう専用の評価治具が有用です。検査により不具合を迅速に発見し、改良を加えれば、製品の品質向上につながります。
ほかにも、製品や検査内容に応じて適切な評価治具を使用することが大切で、場合によっては特注品のツールを用いることもあります。

安久工機では、特注の評価治具の製作が可能です。医工学研究との連携などの実績が多数あり、精密な設計、製作に自信があります。
特殊な試験に使用するツールの製作の依頼先にお悩みの事業者様は、ぜひ安久工機にご相談ください。

品質を評価する

評価治具を活用することで、製造プロセスの各段階で品質をチェックしやすくなります
たとえば、製品のサイズを評価するためには、製品を規定の位置に固定したり、測定器に接続したりするツールが有用です。電子部品や基板の品質評価では、接触抵抗や通電状態など、電気的特性を正しく把握するために評価治具が用いられることもあります。

とくに近年は電子部品や半導体製品の需要が世界中で高まっており、評価内容も多様化しています。より精密な検査結果を得るためには、それぞれの製品に応じて、適切な治具を使い分けることが大切です。

寿命を評価する

評価治具は、製品の寿命、耐久性などを評価する際にも用いられます。

たとえば、スイッチやボタンなどの部品では、一定回数の操作を繰り返して摩耗や劣化の度合いを調べる試験がおこなわれるのが一般的です。評価治具には繰り返しプッシュできたり、圧力計を接続できたりするものなどがあります。
電池や電子部品の寿命評価では、長時間の通電や高温・低温環境での動作にも耐えられるかなどの検証が必要です。使用環境を想定した素材、性能のツールを用いることで、より精密な耐久性の数値を確認できます。

評価治具を活用した寿命評価を徹底すれば、製品の信頼性向上だけでなく、保証期間の設定などにも役立ちます。

評価治具にはどんな種類がある?

評価治具は、用途や評価対象などに応じてさまざまな種類があり、テスト内容に合ったツールを選ぶことで、効率的で正確な評価が可能になります。
たとえば動作確認のための治具は、電子機器や機械装置などの正常な動作の検証に有用です。
環境試験治具は、高温、高湿度など、過酷な環境下での製品の耐性を測定するために用いられます。
さらに、耐久試験治具は、長時間の使用に耐えられるかを確認するために使用されます。

ここでは、代表的な評価治具の種類を見ていきましょう。

動作確認治具

動作確認治具は、電子機器や機械製品などの正常な動作を確認するために使用される評価治具の一種です。製品が仕様どおりに動作するかどうかを事前に検証することで、不具合の発見や改善がスムーズにおこなえます

とくに、精密機器や回路基板の開発、生産において重要なツールです。たとえば、電子回路のテストに用いられる治具は、回路基板の各ポイントに部品を接続し、電圧や信号を測定するのに有用です。
コネクタやスイッチの動作確認には、専用のプレス装置を備えたツールが使われることもあります。これにより、動作の不具合を検出し、不良品が市場に出回ることを防ぎやすくなります。

環境試験治具

環境試験治具は、製品がさまざまな環境下で正常に動作するかを検証するためのツールです。温度や湿度、振動、衝撃、塩害などの影響を受ける可能性がある製品に対して使用されることが多く、そのような環境下でも安定して試験ができる堅牢な素材、設計などが求められます。

たとえば、自動車部品が高温・低温で正しく機能するかをテストする際、どちらの温度にも耐えられる素材、正常に操作できる設計で製作された治具が必要です。
電子機器では湿度の試験や防水性の試験が必要なものもあり、湿気や水濡れの影響が出にくい素材や部品で作られたツールが用いられます。

環境試験治具を用いてテストをおこなえば、過酷な環境でも安定して機能するかをより正確に判断でき、測定結果から改良を重ねれば耐久性や安全性の向上につなげることが可能です。

耐久試験治具

耐久試験治具は、製品の寿命や耐久性などを評価するために使用される重要なツールです。製品が長期間にわたって安定した性能を維持できるかを確認することで、不良品の流通を防ぎやすくなるだけでなく、市場における信頼性を高められます

たとえば自動車部品では、エンジン部品やサスペンションなどの耐久性をテストするために耐久試験治具が有用です。数万回以上の繰り返しの使用に耐えられるかを検証し、長期的な品質保証を実現するのに役立ちます。
また、スマートフォンやノートパソコンなどのバッテリーは、充放電試験を繰り返しおこない、長期間の使用に耐えられるかを検証するのが一般的です。対象のバッテリーを挟みこんで固定し、レバーを操作して充放電させられるツールなどが使用されています。

評価治具 作業の様子

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評価治具は、製品や部品の仕様、機能、耐久性などを確認するために役立つツールです。人の手による作業での測定結果のバラつきを抑え、作業負担を軽減できるメリットがありますが、より正確な結果を得るためには、設計段階から精密に考えられたツールが必要不可欠です。

安久工機では、評価治具をはじめとする特注のアイテムの製作依頼を多数お受けしております。お客様の「設計図から描いてほしい」「こんな機能がついていてほしい」というご要望を大切にし、モノづくりのプロフェッショナルがチームを形成して真摯に取り組みます。
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