バケットコンベアの構造
バケットコンベアは、ベルトまたはチェーンに複数のバケット（バケツ）が取り付けられている構造のコンベアです。バケツの中に搬送物を入れることで、一定量を連続的に運ぶことができます。
では、具体的にどのような構造で運ぶことができるのか見ていきましょう。
バケットコンベアの構造は仕様によって異なりますので、ここでは基本的な構造をご紹介します。
| フレーム | コンベアの構造全体を支える骨格部分 |
| 駆動装置 | コンベアを動かすモーターなどの動力源 |
| ベルトまたはチェーン | バケツを搬送する媒体 |
| バケット | 搬送物を収める容器 |
| 支持ローラー | ベルトやチェーンを支え、コンベアのスムーズな走行を補助 |
| 張力装置 | ベルトやチェーンの張力を調整 |
これらの部品や装置を組み合わせた構造により、効率的な搬送を実現するのがバケットコンベアです。
安久工機では、バケットコンベアなどの搬送機の試作・開発に対応しております。構造や設計についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
バケットコンベアの搬出方法
バケットコンベアの搬出方法は、大きく分けてチェーン式とコンベア式の2種類があります。
チェーン式は、チェーンにバケツを取り付けて駆動します。構造がシンプルかつ丈夫で、垂直方向への搬出に適しています。
コンベア式は、ベルトにバケツを取り付けて駆動します。搬送速度は速いものの、その分バケツ内の搬送物が衝突しやすく、破損のリスクが高まる点には注意が必要です。
また、ベルトは摩耗する頻度が高いため、定期的なメンテナンスを行いましょう。
チェーン式の構造
冒頭でバケットコンベアの構造をご紹介しましたが、チェーン式の場合は以下のような部品が必要となります。
| チェーン | ローラーとピンを組み合わせた構造のチェーンが一般的に使用されており、耐摩耗性、耐衝撃性に優れている |
| アタッチメント | チェーンとバケツを連結する部品。バケツの形状や搬出条件に合わせて、さまざまな種類のアタッチメントが用意されている |
| スプロケット | チェーンを駆動する歯車状の部品。チェーンのピッチに合わせて、適切なサイズのものが使用される |
このように、チェーンとそれを駆動するための部品を組み合わせた構造になっています。
コンベア式の構造
コンベア式はチェーンではなくベルトで搬送するため、ベルトに加えて付随する部品も必要となります。
| ベルト | ゴムやPVC、PUなどの材質のベルトが使用される。機能性はベルトの種類によって異なるため、搬送物に応じたベルトを使用する |
| アタッチメント | ベルトとバケツを連結する部品。バケツの形状やベルトの材質に合わせて、さまざまな種類のアタッチメントが用意されている |
| プーリー | ベルトを駆動する輪状の部品。モーターの動力によって回転し、ベルトを巻き込む |
見ていただくとわかる通り、チェーン式とコンベア式では構造が異なります。搬出方法を選ぶ際は、用途や目的に適したものを選びましょう。
バケットコンベアのメリット・デメリット
バケットコンベアを導入するか迷っている方もいらっしゃると思います。ここでは、バケットコンベアのメリット・デメリットをご紹介しますので、参考になさってください。
▼メリット
- バケツに入る形状や大きさであれば、さまざまな物体の搬送が可能
- 垂直方向への移動も可能で、多層式の設備や高所への移動に適している
- 危険な作業を機械に任せることで、作業員の安全性を確保、作業環境の改善が可能
- 製品の破損リスクが低減し、製品の品質が安定する
▼デメリット
- 装置の購入や設置費用など初期費用がかかる
- 定期的なメンテナンスが必要
- 設置後のレイアウト変更が難しい場合がある
- 駆動部からの騒音や振動が発生する可能性がある
デメリットを確認し、それでもメリットが大きいと感じられたら導入を検討されてみてください。
バケットコンベアとバケットエレベーターの構造の違いについて
バケットコンベアとバケットエレベーターは、どちらもバケットと呼ばれる容器を使って物を運ぶ装置ですが、構造や用途に違いがあります。
バケットコンベアは、水平方向だけでなく、傾斜や垂直方向の移動も可能な構造の装置全般を指します。
バケットエレベーターは、バケットコンベアの一種で、垂直方向の運搬に特化した構造の装置です。建物内の異なる階層間での物資の搬送や、 サイロからの原料の取り出しなど、高低差のある場所での搬送物の移動に適しています。
バケットコンベアの用途・主な搬送物
バケットコンベアは主に以下の用途で使用されます。
- 工場の生産ラインにおける製品の搬送、部品の供給
- 砂やセメントなど、建設現場での資材の運搬
- 食品工場における米や小麦などの原料の運搬
バケツに入るサイズであれば、搬送することができます。反対に、パレットやケースなどの箱状のものを運ぶのには向いていません。
バケットエレベーターの用途・主な搬送物
バケットエレベーターは、高低差のある場所での垂直方向の移動に特化した構造により、ペレット状の原料の汲み上げから排出までを行うことができます。たとえば、穀物、精米、飼料、肥料などの製造工場で使用されています。
液体はポンプで垂直方向へ汲み上げることができますが、固体はポンプで汲み上げることができません。そこで、バケットエレベーターを使用することで、バケツにより固体を汲み上げて運ぶことができます。
バケットコンベアも、バケットエレベーターも、製品によっては搬送物に合わせた仕様になっているものがあり、上記で紹介した搬送物を必ずしも運べるわけではありませんので、導入する際は用途に適しているかを十分に確認しましょう。
バケットコンベアに関するお問い合わせや、設計・開発のご依頼は安久工機へ
バケットコンベアの設計・開発をお考えの方は、安久工機へご相談ください。
安久工機は試作研究開発において50年、多くの分野でお取引があることから、ノウハウも豊富です。さらに、独自のネットワークでプロジェクトごとに専門家や技術者を集め、チームを形成します。それにより、よりよいモノづくりを実現しております。
搬送機の設計・開発に関するご質問、相談等ありましたら、下記お問い合わせ先よりお気軽にご相談ください。
【お問い合わせ先】
電話番号：03-3758-3727
FAX：03-3756-1250
お問い合わせフォーム