垂直搬送装置(垂直自動搬送機)とは?
垂直搬送装置(垂直搬送機)とは、工場や倉庫、物流センターなどの建物内において、パレットや箱などの荷物を垂直方向に自動で搬送する装置です。エレベーターのように人が乗ることはできず、荷物専用に設計されています。
重い荷物の搬送も容易にできるため、垂直搬送装置の導入をお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、そういった需要から、垂直搬送装置の開発を行っている会社もあるでしょう。
安久工機では、垂直搬送装置の特注製作や開発・試作のご相談を承っております。ご検討中の方はお気軽にご相談ください。
垂直搬送装置(垂直自動搬送機)の種類
垂直搬送装置は、建築基準法および労働安全衛生法における「昇降機」に該当しないため、申請書などの提出の必要はありません。主に荷物の移動を目的としており、人が乗ることを想定していないため、これらの規制の対象外となるのです。
なお、建築基準法において昇降機に該当し、確認申請等が必要なのは以下の4種類です(出典:建築基準法施行令第百四十六条)。
- エレベーター
- エスカレーター
- 小荷物専用昇降機
- 特定行政庁が指定する建築設備
これらに該当しないことから、垂直搬送装置が昇降機の一種ではないことがわかると思います。
垂直搬送装置に明確な種類はありませんが、作業環境や運ぶ荷物に応じてさまざまなタイプの垂直搬送装置がありますので、適切なものを導入するようにしましょう。
垂直搬送装置の選び方
垂直搬送装置は、建築基準法の制約を受けることなく多様な仕様で設計できます。だからこそ、どのような垂直搬送装置を選べばよいのか悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。
垂直搬送装置を選ぶ際は、主に以下のポイントを確認しましょう。
- 荷物の種類
- 性能
- メンテナンス性
- コスト
これらのポイントを総合的に検討することにより、導入後のトラブルを防ぎ、生産性の向上につなげることができます。メンテナンス性やコストについては選ぶ上で基本的な部分ですので、ここでは荷物の種類と性能について、より詳しく解説します。
荷物の種類に応じて選ぶ
荷物の種類によって求められる機能や形状は異なります。ここでは例として、大まかに大型の荷物と小型の荷物にわけてどのような垂直搬送装置を選ぶとよいのかを解説します。
- 大型の荷物
高い積載能力と十分なスペースが必要。またローラーを取り付けることで搬入・搬出が簡単に。 - 小型の荷物
荷物のサイズに合わせた装置を選ぶことで、省スペース化の実現が可能に。台車に積んで一度にたくさんの荷物を運ぶ場合は、搬入・搬出口の段差をなくすことで移動がスムーズに。
このように並べてみると、荷物のサイズが異なるだけでも求められる機能が違ってくることがわかるでしょう。荷物のサイズ、重量、形状、数量などを考慮し、装置に求められる機能を明確にしてから装置を選ぶようにしましょう。
性能で選ぶ
垂直搬送装置は、メーカーによって性能が異なりますので、ここでは基本的に考慮するとよい性能の一部をご紹介します。性能について悩んでいる方は参考になさってください。
- 搬送速度
安定して荷物を運ぶために、適切な搬送速度が要求されます。 - 積載量
荷物の重量に合わせて、十分な積載能力が要求されます。 - 高さ
設置場所の天井高や搬送先の階高に合った高さにしなければなりません。 - 安全装置
緊急停止装置や安全センサーなど、必要に応じて安全対策の機能が搭載されているか確認が必要です。
上記以外にも、要求仕様や生産計画に合わせて必要な性能を漏れなく比較検討し、最適な装置を選びましょう。
比較検討が面倒だからと、とにかく優れた性能の垂直搬送装置を選んでしまうとオーバースペックになる可能性があります。性能は高ければ高いほど、コストが高くなったり操作が複雑になったりする傾向にあるため、荷物の種類や作業環境にあった性能を選ぶようにしましょう。
垂直搬送装置を導入するメリット
垂直搬送装置の導入は、物流現場や製造現場において、多くのメリットがあります。
- 搬送能力が高く生産性の向上が見込める
- 昇降機より導入が容易
- 安全性が高く人身事故のリスクを低減できる
これらの3つのメリットについて詳しく解説していきます。導入するメリットを十分に理解した上で、物流や製造の現場の効率化や作業環境の改善に、垂直搬送装置を最大限に活用しましょう。
搬送能力が高く生産性の向上が見込める
垂直搬送装置は、高い搬送能力によって作業の効率化と生産性の向上に大きく貢献します。具体的にどのように向上するのか、詳しく見ていきましょう。
- 短時間の搬送が可能
人力に比べて圧倒的に短い時間で荷物を上下階に搬送できます。 - 連続的な搬送を実現
一定速度で連続的に搬送できるため、人による作業の待ち時間や段取り換えの時間を削減できます。 - 重作業の軽減
重い荷物の垂直運搬は、人にとって大きな負担です。垂直搬送装置に任せることで、作業員の負担を軽減し、怪我のリスクを減らすことができます。
荷物用の昇降機より導入が容易
垂直搬送装置は昇降機に比べて導入が容易ですので、建築基準法における申請などを行わずに気軽に導入することができます。この点は大きなメリットになるでしょう。
昇降機を導入する場合は、建築基準法における申請などを行わなければならないため、書類を揃えたり、手配をしたりと導入までに時間がかかります。手間がかかる上に、場合によっては導入するタイミングを調整する必要もあるでしょう。
一方、垂直搬送装置の場合はそういったことを必要としないため、手間が少なくスムーズな導入が可能となります。
安全性が高く人身事故のリスクを低減できる
人力で運搬する際には、大事故には至らなくても、腰や手首を痛めるリスクが伴います。万が一、負傷者が出ると代わりの人員が必要になり、生産性にも悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。人力に依存しない垂直搬送装置はこういったリスクが減るため、安全性においても大きなメリットがあるのです。
なお、垂直搬送装置の安全性をより高めたい場合は、次の機能の搭載を考慮するとよいでしょう。
- 障害物などを感知する安全センサー
- 条件を満たさないと動作しないインターロック機構
- 異常が発生した場合に装置を停止させることができる緊急停止装置
垂直搬送装置(垂直自動搬送機)の設計・製作のご依頼は安久工機へ!
垂直搬送装置(垂直自動搬送機)の特注や開発・試作を、どこに依頼すればよいか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
安久工機は、医工連携により人工心臓に関連するポンプや弁などの開発に携わった経験があります。医工連携の経験はさまざまな分野に活かされ、医療機関で使用される製品だけでなく、噴水装置や検査治具など、その他の分野でも開発・試作の実績があります。そして、搬送装置につきましても、これまでに培ったノウハウを応用して設計・製作いたします。
垂直搬送装置は状況によって仕様が大きく異なりますので、まずは一度お問い合わせいただき、詳しいお話をお聞かせください。
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