4点曲げ試験治具とは?試験方法を詳しく解説

4点曲げ試験治具とは?使い方や種類を解説

4点曲げ試験治具とは、材料の強度や弾性などの測定に使用されるツールのことです。サンプルを支える2点の支持部と、荷重をかける2点の荷重負荷部で構成されています。
サンプルを支持部で支えつつ、荷重負荷部で荷重をかけて、強度や弾性、さらにどの程度の荷重で亀裂が入るのかなどを求める目的で使われます

下部分と上部分の合わせて4点をサンプルに当てることが、4点曲げ試験治具の名前の由来です。
以下では、4点曲げ試験治具はどのような手順で使われるのか、またツールの種類について詳しく解説します。

4点曲げ試験治具の使い方

4点曲げ試験治具は、以下のような手順で使われるのが一般的です。

  1. 対象の寸法を計測する
  2. 対象のサイズに合わせて2つの支持部を配置する
  3. 対象を支持部の上に設置し、固定する
  4. 荷重負荷部を所定の位置まで動かす
  5. 設定した速度や強度、回数などで対象に荷重をかける
  6. 荷重の強さや回数などと対象の変形の関係を測定・記録する

4点曲げ試験治具を用いれば仕様どおりの位置に一定の荷重をかけられるため、テスト結果が定量的になり、より信頼性の高いデータを得られます。

4点曲げ試験治具の種類

4点曲げ試験治具は明確に種類が分かれているわけではありませんが、測定対象や測定条件によって仕様が異なります

測定対象となる材料は、金属やセラミック、プラスチック、コンクリートなど多種多様です。材料によって強度が大きく異なるため、対象に適した荷重容量の治具を用意する必要があります。
たとえば、コンクリートの評価に樹脂用の治具を使えば、適切な荷重をかけられず、正確な評価結果を出せなくなる可能性が高まるでしょう。

また、高温下や水中など、特殊な環境で測定がおこなえる治具もあります。
特殊な材質や形状の製品、特殊な環境で使われる製品の評価をおこなう際は、それぞれに適した特注の治具を用いることで、精度の高い結果を得ることが可能です。

安久工機には、特注の治具の製作実績が多数あります。ツールの製作、加工だけに留まらず、設計段階からモノづくりを徹底的にサポートいたします。曲げ評価においてより高い複雑な設計が求められる4点曲げ試験治具の製作は、安久工機にお任せください。

4点曲げ試験とは?試験方法を詳しく解説

4点曲げ試験は、2点の支持部の上に乗せたサンプルに対し、2点の荷重負荷部で荷重をかける方法です。一定の量や速度、回数などで荷重をかけることでサンプルを変形させ、材料の強度や弾性、耐屈曲回数などを評価します。
4点曲げ試験は、自動車のサスペンションやスマホの画面、さらに医療機器である体内固定用プレートなど、私たちの生活になくてはならない製品や部品にも用いられています。

サンプルの曲げ強度などを評価する方法として、荷重負荷部が1点のみの3点曲げ試験を用いることも可能です。4点曲げ試験と3点曲げ試験の違いや、4点曲げ試験ならではのメリット・デメリットを以下で詳しく見ていきましょう。

3点曲げ試験との違いとは?

3点曲げ試験と4点曲げ試験の主な違いは、荷重負荷部の数です。前者の荷重負荷部が1点であるのに対し、後者では2点あります。荷重負荷点が少ない分、3点曲げ試験治具のほうが構造がシンプルです。

3点曲げ試験は1点に荷重が集中するため、場所ごとに材料特性が異なる不均質なサンプルの評価には適していません。一方、荷重が集中する分、小さいサンプルにも大きな力をかけられるというメリットもあります。

4点曲げは2つのポイントに同じ荷重をかけられるため、場所によって材料の特性が異なるサンプルの評価や、材料の基本的な性質の評価をするのに適しています。

4点曲げ試験のメリット

4点曲げ試験は、サンプルに均一な荷重をかけられる点がメリットです。2つの荷重負荷部の間に一様に力を加えながらサンプルを変形させます。これにより、材料全体の強度を正確に評価することが可能です。

4点曲げ試験は、試験片全体の強度が均一ではない材料を測定する場合にも有効です。複数の材料が組み合わさっていたり、内部に欠陥を持っていたりするサンプルでも、精度よく強度を測定できます。
材料の内部で繊維が編み込まれている繊維強化プラスチックなどのような、不均質材料の強度、弾性などを把握したい場合にも、4点曲げ試験治具が用いられるのが一般的です。

4点曲げ試験のデメリット

4点曲げ試験は、3点曲げ試験に比べると測定やデータの分析が複雑になる点がデメリットです。サンプルの広い範囲に均一な荷重をかけるため、サンプルの材料の不均一性が結果に与える影響が大きくなります。
たとえば亀裂が発生する荷重の量を測定したい場合、サンプルの脆弱な部分から亀裂が発生しやすく、材料が不均質なほど亀裂発生点にバラつきが生じるため、高度な測定、分析技術が求められます。

このような点のほか、治具の設計が複雑な点もデメリットです。4点曲げ試験は2点で荷重をかけるため、荷重負荷点がサンプルと並行でないと均一に力を与えられません。荷重負荷点に傾きが生じないよう、精密に設計された治具が求められます。

4 点曲げ試験治具 作業の様子

4点曲げ試験治具の特注なら安久工機にお任せください

4点曲げ試験治具は、材質が不均一なサンプルの測定や材質の基本的資質の測定をする際に用いられることが多いツールです。信頼性の高いデータを得るには、サンプルと並行に2点から荷重をかけられるよう、精密に設計された治具が必要です。

安久工機では、設計段階から高い精度が求められる治具の設計、加工のご依頼をお受けしています。50年以上に渡り医療分野などで培ってきたノウハウをもとに、どのような難しいご依頼にもモノづくりのプロフェッショナルが全力でお応えします。
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