3点曲げ試験治具の特徴や使い方、試験方法について詳しく解説します

3点曲げ試験治具 製作の様子

3点曲げ試験治具とは?

3点曲げ試験治具とは、材料強度を評価するための3点曲げテストで使用されるツールです。2つのサンプルの支持部と1つの荷重負荷部で構成されています。研究開発から品質管理まで幅広い用途で利用されているため、見たことがある方も多いでしょう。
以下では、3点曲げ試験治具の種類や特徴について詳しく解説します。

安久工機では、治具の提案から設計、加工まで多数の実績があります。ワンストップでオーダーメイドの治具を発注したい、図面がないけど治具を作りたいなどのお悩みも、ぜひ一度ご相談ください。

3点曲げ試験治具にはどんな種類がある?

3点曲げ試験治具は明確に種類が分類されているわけではありませんが、測定内容に応じて異なる仕様のものが使用されています。以下に、治具の種類の一例を挙げます。

  • 超小型電子部品用治具
  • 溶接部材用治具
  • 鉄筋用治具

超小型電子部品と鉄筋では、測定する材料の強度が大幅に異なるため、同じ治具では対応できません。測定対象の材料強度に適した治具が必要であり、種類によって支点間距離や負荷できる荷重の範囲が異なります。
自社で測定対象とする製品や部品の材料強度を考慮したうえで、適切な仕様の治具を製作しましょう。

3点曲げ試験治具の特徴について

3点曲げ試験治具は、サンプルを下から支える2つの支持部と、上部から荷重を加える1つの圧子(荷重負荷部)で構成されています。2つの支持部でサンプルを支え、中央に圧子で荷重を加えることで、製品や部品を変形させて、材料の曲げ強度を評価します。治具は、サンプルの材質やサイズ、温度範囲や荷重容量などのテスト条件に適したものが用いられます。
たとえば、繰り返して荷重を加える条件で使用する場合、静的荷重(一定の荷重)だけでなく、繰り返し荷重を加えることが可能で、容量や繰り返し速度も条件に合わせて調整できる治具を用います。
自社で想定している測定条件を理解したうえで、しっかりと実施が可能な形状・仕様の治具を製作しましょう。

なお安久工機では、治具の設計をアイデア段階から具体的な設計に起こす過程にも対応しています。社内に設計担当者がいない場合も、安久工機の設計士にお任せください。

3点曲げ試験とは?測定結果から何がわかる?

3点曲げ試験は、サンプルを下から支えながら荷重をかけて曲げることで、材料の強度を測定する方法です。支持部の2点と荷重負荷部の1点の合計3点で評価を行うことから、3点曲げ試験と呼ばれています。
測定結果から、材料が曲がり始める曲げ弾性率や荷重を加えたときの曲げ強度などがわかります。材料の機械的性質を把握できるため、製品を設計する際の形状・寸法の決定に役立てられます。

以下では、3点曲げ試験の方法や治具の使い方、短所について詳しく解説します。

試験の方法や治具の使い方

3点曲げ試験は、支持部の2点と荷重部の1点で材料を曲げる方法です。サンプルの両端を支持部で支えながら、中央に荷重を加えていきます。一定の荷重がかかると、サンプルは「く」の字に曲がります。

主な手順は、以下のとおりです。

  1. サンプルの寸法を計測する
  2. 設定した距離になるように支持部を設置する
  3. サンプルを支持部の上に設置する
  4. 一定速度で荷重を加える
  5. 荷重と荷重部の移動距離を連続的に記録する
  6. サンプルが破断、もしくは荷重部が一定の距離を移動したときに終了する

一般的に、支持部間の距離は、サンプルの厚さの16倍に設定されます。

3点曲げ試験の短所

3点曲げ試験の短所は、サンプルの形状や断面などの影響を受けやすい点です。サンプルの厚さ・幅・断面形状がわずかに異なるだけで、測定結果が大きく変わります。表面の凹凸や欠陥も試験片が割れやすくなる原因であるため、表面を仕上げて測定することが大切です。
形状だけでなく、試験片内部に気泡があったり、異物が混入していたりすると、測定される強度が低くなってしまいます。3点曲げ試験を行う際は、試験片の詳細な形状や寸法などを正確に記録することが大切です。

4点曲げ試験との違いは?

3点曲げ試験と4点曲げ試験の大きな違いは、荷重負荷部の数です。4点曲げ試験では、サンプルに2箇所で荷重を加えますが、支持部の数や位置は同じです。
4点曲げ試験は、サンプルの中央から等間隔に離れた2点に荷重を負荷し、一様に力を与える点が特徴です。負荷の集中が起きにくく、材料の曲げ強度の特性を正確に測定できる方法といえます。
ただし、3点曲げ試験治具は荷重負荷部が1箇所しかないため、構造がシンプルでコンパクトです。限られたスペースで簡易的に測定を行いたい方は、3点曲げ試験が適しています。

3点曲げ試験治具の設計・製造なら安久工機にお任せください

3点曲げ試験治具の設計や製造は、安久工機にお任せください。安久工機では3点曲げ試験治具など正確性が求められる治具の設計、製造を多数お受けしてきた実績があります。大学の研究室や医療分野をはじめ、幅広い業界の研究開発や品質向上に貢献してまいりました。
精密な治具が求められる場面でも、安久工機の経験豊富なエンジニアが設計から製造まで一貫してサポートいたします。お客様のニーズに合わせたオーダーメイドの治具製作にも対応可能です。

3点曲げ試験治具 安久工機の看板とフロントの様子

治具の設計や製造でお困りの方は、ぜひ一度安久工機までご相談ください。具体的な事例やお見積りについてもお答えさせていただきます。

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